ポンコツ同盟
数分後、兄貴が走ってやってきた。
「拓也!」
「…ごめん。」
「よかったー。」
兄貴は肩で息をしながら安心したように笑った。
「笛木、君の弟は、君の悪口を言ったクラスメートを殴ったようだ。」
は!?
「なんで言うんだよ!バカ!空気読めよ!しね!」
「…そうなのか?拓也。」
「… 」
「そうだよ。妹から聞いたもん。」
何も言わない俺の代わりに樋口が肯定する。
案の定、兄貴は眉毛を八の字にして悲しそうな顔をした。
兄貴を傷つけてしまった。