ポンコツ同盟

そう言い放つ樋口に、俺も兄貴もポカンとしていたが、一度吹き出すと笑いが止まらなくなった。

「何がおかしい。」

「樋口、お前すごいな。」

「僕がすごいのは今に始まったことじゃない。」

兄貴がなんでこいつと友達なのかわかった気がする。

「寒い。僕は帰る。」

「おう。ありがとね、樋口くん。」

「樋口、またパス練付き合ってよ。」

「やだよ。」

心のわだかまりは、綺麗に消えてなくなっていた。

「あ、笛木、明日は美味しい弁当頼んだよ。」

そう言い残した樋口に、笑いが止まらなかった。

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