ポンコツ同盟
俺は小さい時から、友達が多くて、どちらかというと、常にクラスの中心にいた。
物心ついたころから空気を読むという力が秀でていたらしい。
小学生のときは成績は上の方で、先生からもまあまあ気に入られていたし、スポーツ少年団で野球のクラブ長もしていて、みんなから頼られて、毎日学校が楽しくて仕方なかった。
そのまま中学に上がり、野球部に入って、学級委員にもなり、忙しいくらい充実した毎日を過ごしていた。
しかし、楽しいばかりではないと現実を突きつけられた中1の初夏。
野球部には、カリスマ的エースがいた。2年生の森田先輩。
彼はイケメンで、背が高くて、爽やかで、野球が上手くて、1年のときからレギュラーでピッチャーをしていて、野球部以外でも彼に憧れる生徒はいっぱいいた。
しかし彼は、意地の悪い性格をしていたのだ。