ポンコツ同盟

小林は目立ちたがり屋な性格だったが、人から嫌われるような人間ではない。少しうざいが、人懐こく、親しみやすいやつだ。

そんなやつを明日からいきなり無視しろなんておかしいと思った。

しかし俺は、森田先輩の言われる通りにやった。

自分を守るために、空気を読んだ。

はじめのうちはまだ良かった。野球部員の1年は彼をシカトしたが、先輩の数人はちゃんと彼を構っていたし、教室でも野球部員以外は彼に普通に話しかけていた。

それが、だんだん日が経つにつれ、彼は孤立した。

学内で影響力のあるカリスマ的な森田先輩。

彼が言うことは絶対だという風潮が、野球部以外にも自然と流れていた。

ほんとは嫌だった。あんなに明るかった小林が、俯いている。だんだんやつれていく小林を見ると辛い。

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