ポンコツ同盟
みんなが机をくっつけて弁当を食べる昼休み。
今日も俺はひとりで弁当の包みを開いていた。
「うわ。すげー美味そう。」
「え、」
突如頭上から降ってきた声にびっくりする。
顔を上げると、前の席の樋口くんだった。
「それ、君の母さんが作ってるの?」
「いや、これは俺が。」
「まじか。すげえな。そんな顔なのに。」
「え、」
樋口くんは椅子に後ろ向きに腰掛け、購買で買ってきたであろうパンを食べている。
「…樋口くんはいつも買うの?」
「うん。うちの母さん味オンチだから。」