ポンコツ同盟
俺は樋口の言う通りにした。
「相談がある」と言って先輩を呼び出した。
部活が終わるまでの時間、物凄くドキドキした。野球部をやめて、全てを捨てる覚悟ではいたけど、学校をやめるわけにはいかないし、明日からもしかしたら俺がターゲットになっていじめられるかもしれない。
そもそも、樋口から何の説明も受けていない。倉庫前に先輩を呼び出せとしか言われてない。そこで何をやるのか、何も聞いてないし考えてもない。
何をやるかもわからないから、上手くいくのかもわからない。もしかしたら、返り討ちにあうだけかもしれない。
不安は募る一方だ。焦りで、途中からミスしまくった。
だから俺は、部活中森田先輩がこちらをチラチラ見ていたなんて、知る由もなかった。