ポンコツ同盟

「なんだよ荒川!」

「…小林をこれ以上苦しめないでください。野球部の1年をこれ以上追い込まないでください。お願いします。」

「…わあったよ。好きにしろ。」

先輩はそう言うと、鍵を投げ捨てた。

「あー、先輩。もし今後こんなことがあったら、動画、ネットで拡散するんで。」

「…ちっ。」

先輩たちは去っていった。

「…ありがとう、樋口。」

「どういたしまして。」

俺はその後、小林に謝りに行った。

「ごめん。小林。ほんとごめん!俺のせいで!」

「もういいよ。荒川は森田先輩に立ち向かってくれたんだね。ありがとう。」

俺と小林は、一緒に野球部をやめた。小林は地域のクラブチームに入って野球を続けたが、俺は野球自体やめた。

森田先輩は野球部に居続けたが、後輩をいびったりすることはなくなったと聞いた。

< 138 / 377 >

この作品をシェア

pagetop