ポンコツ同盟
「なんだよ荒川!」
「…小林をこれ以上苦しめないでください。野球部の1年をこれ以上追い込まないでください。お願いします。」
「…わあったよ。好きにしろ。」
先輩はそう言うと、鍵を投げ捨てた。
「あー、先輩。もし今後こんなことがあったら、動画、ネットで拡散するんで。」
「…ちっ。」
先輩たちは去っていった。
「…ありがとう、樋口。」
「どういたしまして。」
俺はその後、小林に謝りに行った。
「ごめん。小林。ほんとごめん!俺のせいで!」
「もういいよ。荒川は森田先輩に立ち向かってくれたんだね。ありがとう。」
俺と小林は、一緒に野球部をやめた。小林は地域のクラブチームに入って野球を続けたが、俺は野球自体やめた。
森田先輩は野球部に居続けたが、後輩をいびったりすることはなくなったと聞いた。