ポンコツ同盟
「料理オンチじゃなくて?」
「料理はできるんだ。レシピ見ながら作ったら普通に美味しいし。でも好みの味じゃないって言って、変な調味料入れ始めて結局まずくなる。しかもそれを美味しいって言って食べるから。」
「そう…。」
初めてかもしれない。この学校でこんなにまともに人と話したの。
そもそも誰も俺に話しかけないし、俺から話しかける勇気もなかった。
「笛木、なんかちょうだい。」
「え、」
「美味しそう。」
「あ…」
了承する前に、樋口くんは弁当の中のきんぴらごぼうを口に運んでいた。
「うんまっ!」
「へ、」