ポンコツ同盟

「料理オンチじゃなくて?」

「料理はできるんだ。レシピ見ながら作ったら普通に美味しいし。でも好みの味じゃないって言って、変な調味料入れ始めて結局まずくなる。しかもそれを美味しいって言って食べるから。」

「そう…。」

初めてかもしれない。この学校でこんなにまともに人と話したの。

そもそも誰も俺に話しかけないし、俺から話しかける勇気もなかった。

「笛木、なんかちょうだい。」

「え、」

「美味しそう。」

「あ…」

了承する前に、樋口くんは弁当の中のきんぴらごぼうを口に運んでいた。

「うんまっ!」

「へ、」

< 14 / 377 >

この作品をシェア

pagetop