ポンコツ同盟

翌日。

下駄箱で会ったクラスメートの荒川と一緒に教室に入ると、みんなが一斉に俺らの方を見た。

「え、何…?」

「…は、都築、あれ…」

荒川が指す方を見ると、黒板に大きく、『都築匠はホモ』と書かれていた。

「な…」

クラスメートの新垣が、笑いながら近寄ってくる。

「俺昨日見たんだよ。お前が隣のクラスの梶原とキスしてるとこ。異常に仲良いとは思ってたけど、まさかそんな関係とはなあ。」

どうしよう。どうすればいい。俺は、何て言えばいい。

言葉が見つからなくて、立ち尽くすしかなかった。みんなの視線が痛い。

「おい何バカなこと言ってんだよ。都築、気にすんな。」

荒川が黒板の文字を消そうとしてくれたその時、タイミング悪く、優人と咲ちゃんがうちの教室にやってきた。

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