ポンコツ同盟
咲ちゃんまで、好奇の目にさらされている。どうして大切な幼なじみ2人が傷つけられないといけないのか。
段々と怒りがこみ上げ、俺は新垣の胸ぐらを掴んだ。
「うわっ!」
「てめえ…2人を傷つけんじゃねえよ。」
「匠!」
そんなやまないざわつきに、ひとりの男が怠そうに顔を上げた。
「ねえ!君たち!うるさいんだけど!安眠妨害やめてくれる?」
クラスメートの樋口だった。彼は変なやつだ。空気が読めなくて、そこにいる人をしょっちゅう怒らせる、とても神経の図太いやつ。
「新垣、君、恋人いないからって都築を僻んでんじゃないよ。」
「はあ!?僻んでねえし!男同士で付き合うとかキモいだけだろ!」
…キモい…
「まあ確かにキモいかもしれないね。」
樋口はそう言った。