ポンコツ同盟

みんな何も言えないまま、静かに席についた。

それからは、俺らのことをとやかく言ってくる人はいなくなった。むしろ応援して見守ってくれる人が増えた。内心はどう思っているかわからないが、表に出してからかってくるようなやつはもういない。

俺らは今まで通りだ。

こっそりと、樋口にお礼を言った。

「樋口、ありがとうな。俺と優人のこと、助けてくれて。」

「助けたつもりはないけど。ただ不快なざわつきが安眠の邪魔だっただけで。」

「それでも俺らは助かったよ。」

「そう。あ、でも、君たちも悪いと思うよ。学校でキスはやめた方がいい。」

「…ごめん。」

「まあ僕には関係ないけどね。」

樋口はすごいやつだ。

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