ポンコツ同盟
俺も学生の頃は、優等生とはほど遠い人間だった。サボりに夜遊び、少しだけ酒やタバコもやった。
謹慎処分も何度か受けた。
そんな俺を口うるさく叱ってくる先生がいた。俺はそんな先生をうざいとしか思っていなかったし、どうせ周りの評価のために俺を怒ってるんだとしか思っていなかった。
しかし、先生が俺のために頭を下げている姿を見た。退学だけは勘弁してやってくれ、と深く深く頭を下げていた。
俺は自分が情けなくなった。カッコイイと思ってやっていたことが、全部カッコ悪いことだと気づいた。
それからは、真面目に授業に出て、大学に進み、今は教師をやっている。
初めの頃は、人気物の教師に憧れて、生徒を甘やかすところもあったが、自分の役割はそうではないと気付いた。生徒に甘い先生がいていいと思うが、締めるところは締めなければならない。だから甘やかす担当は他の先生に任せて、自分は厳しく接する方を選んだ。