ポンコツ同盟
しかし転機が訪れた。
それは両親の離婚。
俺はずっと家にいたため、仕事で家を空けている父親よりも、母親の方が好きだった。だから母親についていくと決めた。
それを父親に伝えると、
「…分かった。では後継ぎは悠悟に任せよう。お前は才能が優れていたから残念ではあるが、これからは悠悟に時間もお金も愛情もすべてを注げる。」
と言った。それだけだった。
父親は俺らを子どもとして見ていなかった。父の会社を大きくするための道具としてしか思っていなかった。
悠悟は、
「…お兄ちゃんやお母さんと離れるのは嫌だけど、学校の友達とも離れたくないから残るね。」
と言った。
家族全員の利害が一致していたため、俺は納得せざるを得なかった。