ポンコツ同盟
強く打ったボールが、相手コートの樋口目がけて勢いよく飛んだ。
「いっ!」
そのボールに当たった樋口は、その場で倒れてうずくまった。
「え…」
「樋口!大丈夫か!」
みんな駆け寄る。先生は樋口の顔を覗き込み、背中に手を置いた。
やってしまった。俺はまた、同じあやまちを犯した。
「樋口、立てるか?」
「…保健室行ってきてもいいですか?」
「ああ、先生も付いていく。」
「いえ、ひとりで大丈夫です。」
樋口はゆっくりと立ち上がり、保健室に向かった。
「再開するぞ!コートに戻れ!」
「立花くん、気にしなくて大丈夫だよ。」
俺を気遣う言葉。前と同じだ。やっぱり俺は体育なんて出るべきじゃなかった。みんなとスポーツなんて、やるべきじゃなかった。