ポンコツ同盟
18、藤原悠悟という男

藤原悠悟、高校1年。

楽しくない。毎日が楽しくない。

うちは金持ちだ。お父さんが企業の社長をしている。

後継者に選ばれた俺は、中学の頃からそうとうな英才教育を受けた。毎日、学校が終わると同時にお迎えがきて、強制的に家に連れて帰られた。

友達と遊ぶ時間なんてない。それでも中学の頃はまだ良かった。学校に行けば友達と会えたから。

しかし、高校は違った。そもそも、行きたい高校に進ませてもらえなかった。

偏差値の高い学校。ここら辺では一番頭のいい私立校。

本当は、近くの公立校に通いたかった。友達の大半はそこに進んだのだ。

毎日車で1時間かけて高校に通っている。こんな金持ちの家に生まれなかったら、友達と一緒にチャリ10分の高校に通うはずだったのに。

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