ポンコツ同盟
「君だって、僕や立花の気持ちは分からないだろう。同じことだ。」
「…うるさい。」
「で、立花に復讐することで君の気持ちは晴れるの?」
「晴れる…に決まってる!」
「そう。だったら、立花の弱点を教えてあげよう。」
「なんだ?」
「立花が一番恐れているのは、人を傷つけることだ。」
「…はあ?」
「君がどれだけ立花のせいで苦しんで傷つけられたか伝えるのが、一番堪えると思うけど。」
「なんで俺があいつに弱音吐かなきゃなんねえんだよ!」
「ま、どうするかは君が決めればいい。じゃあ僕は帰るよ。」
そう言って樋口はボサボサ頭を揺らしながら歩いて行った。
むかつく。俺の苦悩なんて何も知らないで。俺が家を捨てるなんてできるわけないじゃないか。
こうなったら、立派な社長になって、兄貴が羨むようなバカでかい会社にしてやる。
ほんとあのボサボサむかつく。