ポンコツ同盟

「とても男らしい人よ。」

「そうなんですね。おば…静江さん、慎一郎さんのこと、聞かせてもらってもいいですか?」

おばあちゃんはハニカミながら「いいわよ。」とおじいちゃんのことをたくさん教えてくれた。

おばあちゃん幸せそうに笑ってる。

すると、急におばあちゃんが立ち上がった。

「あ!慎一郎さん!あの人が慎一郎さんよ。」

「え、」

もちろん、おばあちゃんの目線の先に、おじいちゃんはいない。幻覚でも見えているのかと思えば、そうでもない。

そこにいたのは、見たことのあるボサボサ頭の少年だ。

「げ。」

高校1年のとき同じクラスだった樋口幹生だ。

彼は空気を読まず、とてもデリカシーがない。

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