ポンコツ同盟

「静江さん!あの人は慎一郎さんじゃないです!私の知り合いの男の子です!」

「え?あなたも慎一郎さんの知り合いだったの?」

「だから!あれは慎一郎さんじゃない!」

「慎一郎さーん!」

「おばあちゃん!!」

おばあちゃんは樋口の方に小走りで向かった。

「慎一郎さん、お久しぶりです。」

「は?」

樋口は怪訝そうにおばあちゃんを見る。

「おばあちゃん、帰ろう。」

そう言ってもおばあちゃんはキョトンとし、樋口は怪訝そうな視線をこちらに向けるだけだった。

「岡田、この人君のおばあさん?」

私は小さく頷く。

「慎一郎さんって誰?」

「…死んだおじいちゃんの名前。あんたをおじいちゃんだと思ってる。」

「あー、おばあさんボケてんの?」

「そんな言い方しないでよ!」

ほんとくそこの男ムカつく!なんでよりによってこの男とおじいちゃんを重ねちゃうの!もっと優しい空気読める人だったら良かったのに!

< 199 / 377 >

この作品をシェア

pagetop