ポンコツ同盟
「慎一郎さん、今日のデートはどこへ行きます?」
「僕は慎一郎ではありません。」
「何言ってるの?ほんと冗談が好きね。」
「…今日は用事が出来て行かなきゃいけないところがあるので、僕は帰ります。」
「あらそうなの残念。」
…不本意だが、ナイス樋口。これでおばあちゃんも諦めて帰るはず…
「じゃあ用事が終わるまでここで待ってるわね。」
「「へ、」」
そうきたか!くそう!
「まじ困る…え、帰ろうよ。」
その言葉におばあちゃんは少ししょんぼりしていた。
「じゃ、じゃあ、今から30分だけデートして、今日は帰るってのはどうかな!?」
「は?何言ってんの?」
「慎一郎さん…」
樋口には申し訳ないと思うが、おばあちゃんが悲しい顔をするのは嫌だ。
私が樋口に小声で「今度売店のスイーツ奢る。」と言ったらしぶしぶ了承してくれた。