ポンコツ同盟
樋口は私とおばあちゃんを見てため息をついた。そして、
「静江さん、君はこれから彼女の家に行けばいい。」
なんて言い出した。
「どうしてです?」
「彼女は僕の知り合いだ。彼女は君のことが好きで、君と仲良くなりたいみたいだ。」
「え?」
「樋口…」
「君の笑顔を守るためならどんな手でも使うくらい君のことが好きらしい。きっと君も、これから彼女のことを好きになるよ。」
「そうなの?なんか照れるわね。」
「僕はこれから用事があるから帰る。君、静江さんをよろしく頼んだよ。」
「…はい。」
なんだよくそ。樋口優しいじゃん。
目から溢れ出たひとつぶの涙を慌てて袖口で拭った。