ポンコツ同盟
「記憶はなくなっても、君たちが過ごした時間は確かに残るんだよ。そんなブサイクな顔してたら一緒に過ごす時間すらもったいない。」
「うるさいお前の方がブサイクじゃ樋口。この仏頂面。」
「ま、僕はもう関わりたくないから頼んだよ。」
「くそしね樋口ありがとうな。」
私はおばあちゃんの手を引いて歩いた。
おばあちゃんは相変わらずおしゃべりで、いろんな話をしてくれる。
そして家に着く頃には
「お腹すいたねえ、みいちゃん。」
いつものおばあちゃんに戻っていた。
記憶がなくなるのは悲しいし、苦しいけど、
樋口の言う通り、一緒に過ごした日々は消えないから、
今日も笑っておばあちゃんのそばにいよう。