ポンコツ同盟
今日もまた、好きなマンガのキャラクターを描いていた。
あまり有名ではない、青年誌のマンガ。
「あー。彩乃また絵描いてる。なにそのゴリマッチョ。」
有名なマンガだったら、梨々奈たちも分かるが、さすがにこのキャラクターは知らないだろう。
「んー?私の好みの男。」
「まじ?ゴリゴリ系好きなんだ。」
ゴリゴリの見た目が好きなわけじゃなくて、このキャラクターの男気溢れる内面が好きなのだが、二次元の存在しない人間について熱く語っても絶対引かれる。それに、少女漫画やみんな読んでるような少年漫画ならまだしも、マイナーな男漫画なんて知ってたら引かれるに決まってる。
「じゃあ今日の授業はここまで。ワークを提出してから教室帰るように。」
先生の声とともに、みんなガタガタと椅子を鳴らす。
私も立ち上がり、教室に帰る準備をしていると、佐々木さんが声をかけてきた。
「坂口さん、その漫画好きなの?」
「…え?」