ポンコツ同盟

…佐々木さん今なんてった?

「私もその漫画好きなの!」

なんで知ってるの?こんなマイナーな漫画。てかいつもおとなしい佐々木さんがまじテンション上がってるんだけど。あ、これオタクの特徴か。好きなことの話のときだけ目が輝く。

「私はね、主人公とは違うチームのキャラが好きなんだけど、」

やめて、私がオタクってバレちゃうじゃん。

「そうとう面白いし、みんなかっこいいよね!なんか感動するし!」

根暗オタクってバレたらまたハブされる。いじめられる。

「え、これ漫画のキャラクターだったんだ。」

「なんて漫画?」

梨々奈も亜美も美希も近寄ってきた。やばいやばいやばい。

「これはね…」

「やめてよ!!」

私の声が教室に響いた。

「…彩乃?」

「なんなの佐々木さん!いつも静かなくせに!オタクなの?まじキモいんだけど!」

つい口から出てしまった、心にもない言葉。口を抑えたときにはもう遅かった。視界には佐々木さんの傷ついた顔。

「彩乃、今のはひどくない?」

私はいたたまれなくなって走って教室を出た。

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