ポンコツ同盟
午前の授業が全部終わった頃、やっと彼は教室に戻ってきた。
「樋口くん!どこ行ってたの!私が黒板も消したんだけど!」
まあほぼ男子に消してもらったけど。
「あ、ごめん。」
全く悪びれてない様子。
「どうせサボってたんだろ。」
荒川くんがそう言うと、彼は反論した。
「サボりなんて人聞きの悪い。お腹痛くて保健室行ってたんだよ。」
樋口くんは表情を変えることなく、淡々と言った。
「午後からの日誌と黒板、両方やってよね。」
「ええ…」
あからさまに嫌そうな顔をする樋口くんに日誌を押し付けた。