ポンコツ同盟

「あ、樋口くん。」

先生が樋口くんの方のカーテンを開ける。

「なんですか?」

「ちょっと職員室に行ってくるから保健室の鍵閉めるわね。用事があったら鍵を開けて職員室に来て。20分くらいで戻ってくるから。」

「分かりました。」

そんな会話のあと、先生が保健室を出る足音がした。

静まり返る保健室の中。

音を立てたらいけない気がして、僕は息を潜めた。

その時、

「奥野。」

「へ!?」

樋口くんがカーテン越しに僕の名前を呼んだ。

突然のことに変な声が出てしまった。寝たフリしてたのに、起きてるのがバレた。

「起きてたのか。日本史の先生が言ってた。奥野は保健室行ったって。」

「そう…ちょっと頭が痛くて。」

「ふーん。」

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