ポンコツ同盟
「そういうとこだよ。」
「…なにが?」
「感情を隠さなくてもいいんじゃない?」
「だから…なにが?」
これ以上はやばいかもしれない。もう喋らないでほしい。もう僕の心に触れないでほしい。
「ほんとは泣きたいくせに。傷ついてるくせに。めんどくさいね君って。」
「何も気にしてないって。」
「声、震えてるよ。」
あ、ダメだ。リミッターが。
「奥野、いいんじゃないの?八方美人でも。」
「…え?」
「だって君は誰も傷つけてないだろう。へらへら笑って気持ち悪いと思うことはあるけど。」
「…気持ち悪い…」
「いつも笑ってるから君の笑顔は本当の笑顔なのか分からなくて気持ち悪いときはある。でも誰も一切傷ついていない。」
…そうだったのか。確かに愛想笑いをしている時もある。人に嫌われたくないから。