ポンコツ同盟
いつの間にか僕も眠ってしまったようで、授業が終わるチャイムの音で目が覚めた。
「奥野くんー?」
先生がそっとカーテンから覗いてきた。
「具合はどう?お母さんに連絡して迎えに来てもらう?」
「いえ、寝たら治りました。教室に戻ります。」
「そう?それなら良かった。無理はしないように。」
「はい。」
隣のベッドにはまだいびきをかいて眠っている樋口くん。
「樋口くん!あなたもさっさと教室に帰りなさい!」
先生に叩き起されて怠そうに起き上がった樋口くん。
「あーしんど。奥野戻るんだ?」
「うん。」
「そう。」
僕は樋口くんと一緒に教室に向かった。
ドアを開けると1番に目に入ったのが大谷くんだった。
樋口くんの言葉で落ち着いていた心臓が、またバクバクと鳴り始めた。