ポンコツ同盟
俺も泣いた。涙が止まらなかった。
それに引き換え、陽香の顔は穏やかだった。安らかな顔をしていた。さっきまで苦しそうだったのに。
…楽になれたのかな。
「お疲れ陽香…よく頑張ったな。」
やっと発せた言葉。でもこの言葉はもう、陽香には届かない。
もっといっぱい陽香と話しておけば良かった。もっと陽香の顔を見ておけば良かった。もっと陽香と出かけたり、楽しい思い出を作っておけば良かった。
その時は精一杯、陽香のために動いたつもりではいたけど、今出てくるのは後悔ばかりだ。
「あの、陽香ちゃんのお父さん、お母さん、お兄さん、陽香ちゃんから渡してほしいと預かっているものがあるんですが。これ…」
ひとりの若い看護師が、俺たちにお菓子の箱を出してきた。
父さんがそれを受け取る。