ポンコツ同盟

樋口幹生が一体誰なのか、陽香とどんな関係なのか分からないまま、お通夜の日を迎えた。

お通夜には親戚と陽香と仲良しの友達が集まってくれた。

陽香の幼なじみの静香ちゃんは目を腫らして時々おえつ混じりに泣いている。静香ちゃんの背中に手を当てながら涙を流している明希ちゃんという友達は高校に入ってから知り合ったらしいが、短い間に随分仲良くなったようで、陽香が学校に行けた日は静香ちゃんと明希ちゃんと3人でよく遊んでいたらしい。

「しーちゃん、あきちゃん、今日はありがとうね。」

母さんが2人に声をかけると、2人は母さんの手を握って深くお辞儀をした。母さんも堪えきれずに泣いた。

「これ、陽香から。」

2人に陽香からの手紙を渡す。2人ともすぐに手紙を開き、泣きながら読んでいた。

「ありがとうございました。明日の葬儀もまた来ます。」

大事に手紙をしまって帰って行った。

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