ポンコツ同盟

「…開けるわね。」

鮮やかな色の封筒を開け、手紙の内容を見る。そこにはたったの4行だけ言葉が綴られていた。

『樋口くんへ
あなたのおかげで私はちゃんと最期まで生きることができました。
私が向日葵なら、あなたは太陽です。ありがとう。
P.S.土鍋ココア最高に美味しかったです。』

それだけだった。ますます誰のことだか分からなかった。なんのヒントもない。父さんも母さんも頭を抱えた。土鍋ココアとはなんだ。

それでも文面を見て、陽香に親切にしてくれた人だとは分かる。きっとどこかで優しい人に出会えたんだろう。

「…明日、病院の人か学校の人に聞いてみましょう。もしかしたら本人が来てくれるかもしれないし。」

手紙を元通りに戻して、渡し忘れないように分かりやすいところに置いた。

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