ポンコツ同盟
「そういえば知り合いに樋口医師はいるんですけど、でも確か、下の名前は違ったなあ。」
「そうですか…ありがとうございます。」
病院の関係者ではないのなら、学校の友達か。高校は女子校だから、中学の時の友達に聞けば分かるかもしれない。
昨日も来てくれていた静香ちゃんのもとへ聞きに行く。
「今日もありがとうね、静香ちゃん。」
静香ちゃんは昨日より幾分かは明るい表情をしていたが、目は真っ赤っかだった。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、『樋口幹生』って人、知らないかな?」
「…聞いたことないですね。」
「そっか。ありがとう。」
「え、樋口幹生なら私知ってます。」
横から明希ちゃんが驚いた顔で言ってきた。
「え!?」
「私の中学のときの友達です。」
「でも明希ちゃん、陽香と中学違うよね…?」
「はい。だから今、お兄さんの口からみきちゃんの名前が出てきてびっくりしてるんです。」