ポンコツ同盟
「実は、陽香が生前にお世話になったみたいなんだ。彼宛ての手紙も預かってるんだけど、両親も俺も樋口くんなんて陽香の口から聞いたことなくて、昨日も今日も見当たらなくて、途方に暮れてたとこなんだけど…」
そう言うと、明希ちゃんは吹き出すように笑った。
「みきちゃんは、優しい人です。私の恩人なんです。だからきっと、陽香ちゃんも何かの形で彼に救われたんじゃないでしょうか?」
本当に嬉しそうに明希ちゃんが笑うから、樋口幹生は本当にいい人なのだろう。
「差し支えなければ、彼の連絡先を教えてもらいたいんだけど…」
「ごめんなさい、連絡先しらないんです。でも、家は知ってます。」
そう言って教えてもらった住所は、陽香が入院していた病院の近くだった。
「ありがとう、明希ちゃん。」
「お役に立てて良かったです。」