ポンコツ同盟

次の日、俺は樋口くんに会いに行くことにした。

アポなしで伺うから会えるかは分からないけれど。

明希ちゃんに教えてもらった住所に行くと、『樋口』という表札がかかっていた。ここで間違いないだろう。

普通の一軒家。小さい庭もある。というか、ピンポン押してなんて名乗ろう。宮地陽香の兄って言ったらわかるかな。樋口くん以外の家族が出たらわからないかな。

そんなことを考えながら門の中を覗き込んでいると、ポンと誰かに肩を叩かれた。

「そこ邪魔なんだけど。」

「へ?」

ボサボサヘアーの男の子だった。

「何か用事?あ、もしかして空き巣?」

「ち、違う!…ここは君の家?」

「そうだけど。」

「もしかして君が、樋口幹生くん?」

「あ?どっかで会ったことあったっけお兄さん。」

当たりだ。彼が樋口くんだ。もっと爽やかな少年を想像していたが違った。別にイメージが違ったのはどうでもいいんだけど。

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