ポンコツ同盟

「あの、宮地陽香の兄です。」

「宮地…?」

樋口くんの頭に、はてなが浮かんでいる。もしかして、樋口くんは陽香を知らない…?同姓同名の別人か?

「陽香から手紙を預かってるんだけど…これ、君宛てで合ってる…のかな?」

封筒を渡すと、樋口くんは思い出したようだった。

「ああ。あの向日葵バカか。」

「え、」

「で、あのバカじゃなくて、なんでお兄さん?」

「…陽香は…先日亡くなったんだ。」

「…そう。あのバカ死んだんだ。」

「あのさあ…さっきから人の妹馬鹿馬鹿って、失礼じゃないか?」

こいつすごい失礼だし、そうとう腹が立つ。本当にこいつが妹を救ってくれたのか…?怒りしか湧かないんだが。

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