ポンコツ同盟
優人くんは、匠の幼なじみだ。保育園の頃からずっと仲良しで、いつも一緒にいる。しっかりしている優人くんにいつも匠がついて行っているイメージだ。優人くんが長男、匠が末っ子だからそういう関係性なのかなあと微笑ましくみていた。
「優人くんと仲がいいのは知ってるけど、そういう理由で大学を選ぶのはどうかと思うよ。」
「…優人、県外の大学目指してるんだ。」
「…そう。ずっと一緒だったのに離れ離れは寂しくなるね。でも、匠の将来だよ。友達が行くから自分もっていう考えは、匠のためにならないと思う。もし同じ大学に行っても、卒業して、職場まで同じところってのは難しいでしょ?」
「…」
「それに、優人くんの目指してる大学って、匠の目指してるとこより偏差値高いの?もっと頑張ってレベル高いとこ目指すなら分かるけど、友達に合わすために自分のレベル下げるなんて情けなくない?」
匠は黙り込んでしまった。
「私は、そういう理由で志望校を変えるのは応援できないな。」
「…分かった。」
匠は泣きそうな顔をしていた。可愛い弟を応援してあげたいけれど、それは話が別。自分の将来を大事にして欲しい。