ポンコツ同盟
3人はそれぞれタイプの違う人間のように見えた。
ひとりは、にこにこしている人あたりの良さそうな少年。2人目は、ガタイが良く、ガラの悪そうな顔をしているが、育ちの良さが滲み出ている少年。3人目は、無表情のボサボサヘアーの少年だった。
3人は駄べりながらハンバーガーの包みを開けていた。
「てかさ、もうすぐ3年じゃん。笛木は志望校決まってんの?」
にこにこの少年がガタイのいい少年に聞いた。匠と同い年のようだ。もしかしたら知り合いかも。
「うん。一応A大学にしようと思ってるよ。」
A大学は、県内ではトップレベルの大学。匠が本来目指している大学もそこだった。
「まじ??じゃあ俺もそこ目指そー。」
にこにこの少年はそう言ってハンバーガーにかぶりついた。
え?うちの弟と同じようなことを言ってるんだけど。最近の子は友達と同じ大学行くの流行ってるの?
「おい荒川。笛木がその大学行くからって真似するなよ。」
ボサボサの少年がそう言った。この子はちゃんとまともに将来を考えてるんだと感心した。
「だって荒川、笛木より成績悪いじゃん。無理だよ。」
え。成績の問題?まあ確かに大きな問題ではあるけど。