ポンコツ同盟
26、桜庭葵という男
桜庭葵、高校1年生。
サッカー部に入っていて、毎日部活に明け暮れる毎日。朝もサッカー、夜もサッカー。中1からサッカーをしていたから、それなりに上達はした。
それはそれでとても楽しい。だけど本当にやりたいことではない。
本当は他にやりたいことがある。
ピアノだ。
俺には姉がいて、姉がピアノを習っていた影響で、物心ついた時から俺もピアノに興味を持ち、習っていた。姉は飽きたと言ってピアノを辞めたが、俺はピアノが好きで楽しくて、習い続けた。
しかし、小学6年のとき。
「え、お前ピアノが好きなの?女子みてえだな。アオコちゃんじゃん!」
クラスメートに変なあだ名を付けられて、それから好きなはずのピアノに触るたび、その言葉が頭をよぎり、ピアノを弾くのが恥ずかしくなった。