ポンコツ同盟

「ねえ、放課後遊ぼうよ!」

こうやって声をかけるとだいたい誰かしらは誘いに乗ってくれるのだが

「ごめん!今日デートなの!」

「今日塾だわー。」

「このあとバイト入ってる。」

今日は誰もつかまらなかった。

「そっか。じゃあまた明日ね!」

彼氏は仕事。夜なら会えるかもしれないが、それまでの時間つぶしに困る。

家には帰りたくない。

こういうときはいつも、ひとりで街に出た。そうすると、誰かしら男の人が声をかけてくる。いわゆる、ナンパ。その誘いに乗り、ひとりの時間を回避したことだって何度もある。実は今の彼氏もナンパで出会った。声をかけてくる人の中にはお金をくれるおじさんもいた。『援交』というのか『パパ活』というのか。お金もらえるし、時間つぶせるしラッキーと思っていたが、SNSで注目されるようになってからは、いつそういった噂が出回るかわからないから、会うのは辞めた。

久しぶりにひとり街ブラでもしようかと思ったけど、今日はそういう気分ではなく、私は学校の屋上に向かった。

< 294 / 377 >

この作品をシェア

pagetop