ポンコツ同盟
樋口は私の手をそっと離した。
「だったらまず、自分自身を愛せばいいんじゃないの?自分を大切にしたら?」
「人から愛されたら私も私自身を愛せるし、大切にできるわよ。」
「そう。君は愛してる人はいる?」
「愛してる人ね…。」
樋口はため息をついて、座った。
「君の人生だ。君が決めればいい。でも、手首を縦には切らない方がいいよ。跡が残るから。それだけが心配。」
「…なんの心配?」
「君がいつか幸せになってリスカをやめた時の心配。」
「…。」
私が幸せになる日?リスカをやめる日なんて想像つかない。