ポンコツ同盟

そして隣のクラスに突撃し、樋口の前に仁王立ちした。

「どう?」

「とても素敵な髪型だ。」

「ありがとう。これ、ピンクちゃんで切ったの。」

彼は大声で笑った。

「ピンクちゃんも喜んでるよ。」

「そうかな?」

「まさかそんなロングヘアーを切ることになるとはピンクちゃん自身もびっくりだろうけどね。」

楽しくなって私も笑った。

「樋口のおかげで、昨日の自分より今日の自分の方が好きになったよ。」

「それはよかった。」

「ありがとう、樋口。」

「僕は何もしていない。でも君の作り笑顔には気づけなかったなあ。君は素晴らしい女優になれるよ。」

「もう無理よ。昨日の今日で作り笑いが苦手になったから。」

樋口はフッと笑って

「いいじゃん。」と言った。

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