ポンコツ同盟
「懐かしいな。みんなでいつも公園で遊んだよな。俺のギターに合わせて歌ってくれたり。」
「翔喜くんのギター聴いてると楽しいからね。あれ弾いてよ。僕の一番好きな歌。」
「おう。いいぜ。めっちゃ久しぶりに弾くわ。」
昔よく弾いていた曲。みっきーは俺のギターに合わせて小声で口ずさむ。
「パワーアップしてるじゃん。翔喜くんやっぱ上手いね。」
「ありがとうな。…俺さ、ギターで食っていけるようになりたいんだ。」
「へえ。いいじゃん。」
みっきーは軽くそう言った。
「でも、音楽で金稼ぐのは難しいって、周りに反対されてて…」
「それはそうだよね。おじさんとおばさんも反対してるの?」
「…うん。先生も友達も、誰も応援してくれなくて、今正直挫けそう。」
「…」
「分かってるんだよ。音楽で成功するやつなんてほんのひと握りで、日の目を見ないまま終わる人の方が多いって。仮に成功しても、売れ続けるのは難しいってことも分かってるんだ。それでも俺は音楽を続けたい。だけど、すげー迷ってて。周りは就活とっくに始めてるし、現実見なきゃいけないのかな。諦めなきゃいけないのかなって。」