ポンコツ同盟
「んー。」
みっきーは少し考えて口を開いた。
「それはもう、諦めるしかないよね。」
「…。」
…なんとなく、なんとなくだけど、みっきーなら応援してくれると思った。そりゃあそうだよな。ギタリストなんておっきい夢、叶いっこない。俺は馬鹿だ。
「…そ…うだよな。諦めも肝心だよな!ちょっと出遅れたけど就活しなきゃな!」
俺の声は震えていないだろうか。
「そうじゃなくて。」
「え?」
「自分の足で前に進まなきゃ。君自身の戦いなんだから。」
「え?」
「だーかーら。誰かに背中を押してもらうのはもう諦めろってこと。誰も翔喜くんの将来の責任を負うことができないから、軽はずみに応援できないんだよ。だけど翔喜くんは、本気なんでしょ。いっぱい考えた上で、ギター続けたいんでしょ。簡単じゃないことも分かってるし、これから辛くて苦しいことがあることだって覚悟の上で夢を追いたいんでしょ。夢を追うことは今しか出来ないし、だったら頑張れるときに頑張らないと。」