ポンコツ同盟
29、西村隼人という男
西村隼人、今日から高校2年生。
さっき、クラス替えの表を見た時、僕は決心した。
今日、学校の屋上から飛び降りよう。
去年、僕はいじめに遭った。クラスのカースト上位組に目を付けられてしまったのだ。きっかけは分からない。恐らく、『なんとなく』僕のことが気に食わないのだろう。
はじめは一部の人間の軽いシカトから始まった。だけどどんどんエスカレートしてきて、クラス中からいじめの標的にされた。
物がなくなったり、ノートに落書きをされたり、お弁当をゴミ箱に捨てられたり。プロレス技をかけられて、サンドバッグの代わりにされて、傷やアザは服で隠れるところばかりだから、周りに気付かれることはなかった。
恥ずかしい写真も撮られて、脅されて、お金も取られて、恥ずかしくて、誰にも言えなくて。
もちろん何もしてこないクラスメートもいたが、文字通り何もしてこない。いじめに加わることもなければ、助けることもしない。
そりゃそうだ。僕を助けたら、一発で標的がそいつになる。きっと僕だって逆の立場ならそうしている。だからその人たちは責めれない。