ポンコツ同盟

始業式をサボって屋上に向かう。これが初めてのサボりだった。

ドアを開ける。少し風が強いけど、快晴だ。

僕はカバンを投げ出し、その中からルーズリーフとシャープペンシルを取り出して遺書を書く。

最後の足掻きだ。一瞬でもいい、僕をいじめたやつらが不幸になればいい。僕に危害を与えて来たやつらひとりひとりの名前を書き、辛かったことを綴っていく。

どうしてこんなに覚えているのだろう。嫌になるくらい、明確に思い出せた。

いじめが始まったのは2学期からだったから、半年くらいか。長かった。生まれてから16年経つのに、いじめられていた期間はたったの半年なのに、すごく長く感じた。人生の9割がいじめられた記憶しかないくらい、長く感じた。

ルーズリーフ1枚では足りなかった。すべての思いを書き殴る。

家族への思いも書いた。せっかく産んでくれたのに、せっかく育ててくれたのに、親不孝でごめんなさい。家族は大好きだった。大好きだからこそ、相談出来なかった。

< 315 / 377 >

この作品をシェア

pagetop