ポンコツ同盟

お母さんやお父さんのことを思うと、涙が出てきた。それでももう、無理だ。後戻りはできない。

ルーズリーフ5枚目に突入した。こんなにも書くことがあったのかと驚いている冷静な自分がいる。

その時だった。

「何書いてんの。ラブレター?」

「えっ…」

頭上から声がした。無我夢中で書いていたから人がいることに気づかなかった。その男は寝癖だらけの髪の毛を風になびかせながら、俺のルーズリーフを奪った。

「熱烈なラブレターだね。」

「返せ!」

俺は慌てて男の手からそれを取る。

「君、死ぬんだ?」

「お前には関係ないだろ。」

「うーん。ここから飛び降りるつもりなら、大いに関係ある。」

「…なんで。」

「僕のサボりスポットだからここ。君が飛び降りたら、屋上封鎖されるでしょ。」

なんだこいつ。僕の心配なんて1ミリもしていない。…そりゃそうか。初対面なんだから。

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