ポンコツ同盟
「お母さんにお願いがあります。僕たちは明日の朝、多くの味方を引き連れて、いじめの、主犯グループに喧嘩を売りに行きます。」
「え、」
喧嘩売るの?
「結果はどうなるか分かりません。最悪の場合、西村は学校を辞めることになるかもしれません。それでもあなたは、あなたたち家族は、どうか西村の味方でいてください。西村が帰って来れる場所であってください。」
お母さんは言葉が出ないようで、嗚咽混じりに樋口さんの声に頷いている。
「西村、明日はうちのクラス集合ね?戦に備えて、いっぱい食べていっぱい寝といて。」
そう言って、樋口さんは帰って行った。
その夜、我が家では家族会議が開かれた。
泣いているお母さんと、辛そうな顔をするお父さん。
「ごめんなさい。話せなくて…」
「お父さんたちこそ、気づいてやれなくてごめん。…明日、喧嘩をするって何をするんだ。」
「それが…僕にもよく分からなくて…」
「…明日、学校に行かなくてもいいのよ?もうこのまま学校辞めてもいい。」
「ありがとう。でも、樋口さんと約束したから、明日は行く。どんなことが起きても、ここに帰ってきていい?」
「もちろんだ。待ってる。何かあればすぐに帰ってきなさい。お父さんもすぐ仕事終わらせて帰るから。」
「…うん。」
いくらか心が軽くなった。