ポンコツ同盟

「証拠がないでしょ?変な言いがかりやめてくれませんかね?だいたい、上級生大勢引き連れてくるなんて、卑怯じゃない?西村。ねえ。」

怖い怖い怖い。逃げ出したい。

僕が俯いていると、荒川さんが僕を笛木さんの後ろに隠した。震える僕の体をしっかりと支えてくれている。そして舌を巻いている。

「証拠なら、君のスマホの中にあるんじゃない?西村をいじめてる画像と動画。もしかしたら君のスマホだけじゃないかもしれないけど。」

樋口さんがそう言うと、主犯グループの全員の動きが止まり、明らかに焦った表情になった。

「…で?その動画と画像を見たとこでどうするんです?」

「それが証拠になれば、暴行、傷害、脅迫、恐喝といったところかな。それで警察に通報することもできるよね。」

「…」

「もう二度とやらない?お金も全部返す?スマホのデータも消す?」

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