ポンコツ同盟
「ふっ…ざけんな!なんなんだよお前ら!西村!てめえ!」
そいつは僕に掴みかかったが、先輩たちが止めに入ってくれた。
「この動画、ボタンひとつで拡散できるんだけど!お前の恥ずかしい写真も全部!拡散するぞ!お前の人生終わりだな!」
「や…めろ!やめろ!」
「誰の人生が終わりだって?」
樋口さんは薄気味悪い笑顔でそう言った。
「ボタンひとつで君たちの悪事が世界に拡散される。人生が終わるのは君たちの方だ。」
「なっ…!だったら消してやるよ!これで証拠隠滅だ!お前らも全部消せ!」
慌ててスマホのデータを消し始めるそいつら。
「これで証拠も何もない。」
そいつはドヤ顔でこちらを見てきた。
「お疲れ様。初めからそうしてれば良かったなのにな。でもおせーよ。」
「え…」
「今の、全部録画してる。ありがとう立花。」
「…え?」
教室のドアからスマホをかまえてこちらを録っている立花と呼ばれた先輩が小さく手を挙げた。