ポンコツ同盟

「こ、こんなの脅迫じゃねえか!」

「失礼な。僕達は脅してない。お願いをしただけだ。」

「は?」

「あと、もうひとりスペシャルゲストがいるんだけど、呼んでもいい?」

「…は?」

「出てきていいですよ、井川先生。」

「先生…!?」

生徒指導の井川先生が、掃除用具入れから出てきた。

「こんなとこに隠れるの、高校生以来だぞ。」

「良かったですね、青春を味わえて。」

「なんも良くない!…お前ら、話は全部聞かせてもらった。全員生活室に来い。西村はあとで話を聞かせてくれ。」

全員顔が真っ青になった。まさか、先生まで巻き込んでいるなんて…。

「申し訳ないけど西村の遺書、井川に見せてしまったよ。」

「いえ…ありがとうございます。」

「人生において大事なことを教えてあげる。一番厄介な大人を味方にしておけば、後々役に立つから。」

「厄介てお前な!」

樋口さんは舌をペロッと出した。

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