ポンコツ同盟
「里穂ー。今日委員会あるから一緒に帰れないや。ごめんー。」
「おっけー!私本屋寄ってから帰るから大丈夫!」
今日は好きなモデルさんの雑誌の発売日だ。学校終わりでダッシュで本屋に向かう。ネットでも同じ雑誌を注文しているが、発売日に本屋で立ち読みした後、そのまま雑誌を買って帰るのがルーティンになっている。
雑誌を買って、ほこほこしながら駅に向かっていると、コーヒーチェーン店で新作のフラペチーノが出てるのを発見した。
「これは!」
ダイエット中だが、美味しいものが大好きなので、ちょっと迷ったが買った。
大好きなモデルの雑誌片手に、大好きな甘ったるいフラペチーノ飲んで、これはもう、幸せ満タンだ。
幸せ満タンで歩いていると、知らない男の人から声をかけられる。おそらくナンパだ。
「ねえ君、可愛いね。今時間ある?どっかご飯でも行かない?」
丁重にお断りすると、相手は腹が立ったのか「ブス」と言ってきた。
いや、人に声掛けといてブスとは失礼すぎないか、というか、さっき私のこと可愛いって言ってなかったか?一瞬にして記憶喪失か?ブスナンパしてきたのはそっちだからな。
その男の言葉は、痛くも痒くもなかった。